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請求項75 特許のお値段

もうそろそろ関東も梅雨になりますが、皆さまはお元気でお過ごしでしょうか。

という一文を書いたまま放置しておりました。
梅雨入りどころか梅雨明けも近い今日この頃、皆さまはお元気でしょうか。

皆さまの中には「特許を弁理士に頼むとちょっとお高い?」と思っている方が少なからずおられると思います。

それは少し間違っています。
ちょっとではすみません。

とても高いのです。

発明の技術分野や難易度等で大きく変化するのですが、ざっくり申し上げますと、弊所の場合、通常の国内出願でも30~60万円ほどかかります。これは弊所がいただく分です。
さらに事前の特許調査もお勧めしています。特許調査までしますと、さらに10万円ほどアップします。

これは出願するだけの費用です。しかし、出願しただけでは審査をしてくれません。
ちょっと変な話ですよね。でもそういう制度なのです。
特許庁に審査をしてもらう場合は、別料金を支払う必要があります。
この審査請求にかかる費用として20万円ばかりかかります。
(ただし、減免制度がありますので、該当する方は積極的に利用しましょう)

審査請求をすると、審査官が審査し、その審査結果が返ってきます。
特許してあげるよと言われる場合もあれば、先行技術に似ているからダメと言われる場合もあります。

特許してあげると言われたら、特許料を3年分納めてとりあえず終了です。
最初の3年間はお安くなっています。
それ以上特許権を維持しようとすると急に料金が上がります。
詳しくは特許庁の料金表をご覧下さい。

似ている技術があるからダメなどと言われた場合、審査官に反論して判断を変えてもらう必要があります。

そのために意見書と手続補正書を提出したり、審査官に直接会ってお話したりすることになります。

審査官の判断に対する応答手続を中間処理手続などと呼びます。
中間処理手続も、ケースバイケースなのですが、ざっくり申し上げますと、20~40万円はかかると思って下さい。

一回の中間処理手続で審査官が判断を変えてくれたら良いのですが、変わらない場合もあります。
そのときは、再度反論することになります。
二回反論するとなりますと、中間処理手続だけで40~80万円かかる可能性があります。

以上から、弁理士を使って日本で特許権を取得しようと思ったら、100万円以上かかる可能性があります。

ですから何かひらめいたからといって、直ちに特許事務所や知財事務所に駆け込むのはお止め下さい。

一晩寝かせて冷静に判断なさってください。
お高いですから。

もっと安く受けてくれる特許事務所や知財事務所もあると思います。
インターネットで検索して何カ所かあたられると良いと思います。

上に記載の料金よりも安いからといって、その事務所の腕が悪いということにはなりません。
腕の良い弁理士にも暇なときはありますので、その場合は相場よりも安くうけてくれる可能性があります。

ただし、あまりにも安い場合は、安さを裏付ける何かがあると思われた方がいいでしょう。
また、弁理士・弁護士以外に他人から報酬を得て特許庁に手続することはできませんので、
その点もご注意ください。

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